【アニメ】 四月は君の嘘(全22話) 【※ネタバレ注意】
あらすじ
中学三年生の有馬公生は、かつてヒューマンメトロノームと揶揄されるほどに卓越した技術をもつ天才ピアニストだった。だが、演奏中にピアノの音が聴こえなくなるという奏者として致命的な症状が現れると共に彼は表舞台から姿を消した。
公正が ❝モノトーンの世界❞ を生きていたそんなある日、幼馴染の澤部椿を通じて出会ったヴァイオリン奏者宮園かをりがきっかけとなって彼は再びピアノの世界へと歩み出すことになる。
感想
まだ最終話まで見ていない方や単行本派の方はネタバレを含むのでブラウザバック推奨です。
宮園かをりさんの「嘘」
全22話完結。宮園かをりさんの「嘘」を知ったうえで1話から物語を見返すと彼女が活発に振舞っていたり、公生に対するわがままな感じも大分印象が変わってきそうですね。
21話病院屋上のシーン
振り返ってみると、個人的な物語のピークは21話の病院屋上シーンでした。死ぬかもしれないことへの怖さを宮園さんが公生に告白するシーンです。思わず目から涙がこぼれてしまいました。
マーシーの引用について
これは余談ですが21話Aパート最後の
ねえ先生、わたしたちみんなさよならのキスをしてくれる人がいるんですマーシー
というセリフ。はじめに聞いたとき「そんな人、自分にはおりません」と突っ込んでしまっていた。だけどそれは全くの見当違いで原文では
We all need someone to kiss us goodbye.
となっています。つまり、「いるんです」はさよならのキスをしてくれる人がすでに存在しているという意味ではなく
さよならのキスをしてくれる人がわたしたちみんなに「必要 need」だという意味だったのです(「居るんです」ではなく「要るんです」ということでした)。
宮園かをりさんの死について
最終話の話に変わりますが物語の流れとしては、どうしても宮園かをりさんを殺さないと駄目だったんですかね。ショパンバラード第一番の一連の演奏シーンがあまりにもあっさりとし過ぎていて頂けなかったってのが主な理由ですが、これだったら宮園かをりさん死なせる必要全くなかったと思ってしまいます。あんまり適当な言葉は見つからないですが一言でいえばカタルシスががたりなかった。彼女の死があまり感動につながらなかったって感じがしてます。公生の母親との和解のシーンとか込みで全体的には好きな作品だし、漫画版(単行本派なので未読ですが)だと表現形態も違うのでアニメと違って感動できるってこともあるかもしれません。
「私の嘘」というBGM
最後に、四月は君の嘘がアニメ化してよかったところはBGMが凄くいいってところに尽きると思います。
「私の嘘」というタイトルの物語の重要な場面で流れるBGMがあるのですがこれが凄くいい。これだけでアニメ化成功といっても過言ではありません。
上記21話の病院の屋上シーンとAパート最後のマーシー(スヌーピー)の引用
かをり「わあっ…… 雪だ!」
かをり「ピアノ弾いてる?」
公生「弾いてない……」
かをり「やっぱり…… 君はいじけてる」
公生「もう無理だ……」
公生「大切な人はボクのまえから去っていく」
公生「音楽は大切な人を……」
公生「連れ去っていく」
公生「ボクは……」
公生「ひとりぼっちになる」
かをり「わたしがいるじゃん」
かをり「わたしがいるじゃん!」(2回目)
かをり「わたしね、手術するの」
かをり「2月18日」
かをり「わたしは必死にあがくよ! あがいてあがいてあがきまくってやる」
かをり「君のせい! ぜんぶぜんぶ君のせい!」
かをり「わたしが無様にあがくのも」
かをり「生きるのに執着するのも…… 君のせい」
かをり「君がわたしに」
かをり「君といる時間への未練をくれた」
かをり「君はあがかないの? わたしたちあがくの得意じゃない」
かをり「わたしたちは命懸けであがく演奏家じゃない」
公生「でも、もう一週間もピアノに触ってない。指が……」
かをり「わたしの伴奏のときだってそうだった」
公生「あの時は、バイトでいつもピアノに触ってた…… まともに弾ける訳ない!」
公生「こんな状態で弾けたら…… 奇跡だ」
かをり「また、下向いてる」
かをり「ほら……」
かをり「奇跡なんてすぐ起こっちゃう」
かをり「わたしのなかに君がいるよ、有馬公生くん」
かをり「たまごサンドが好き。モーモー印の牛乳が好き。 あと、なにが好き? 好きな昆虫は? 何を集めてた? 好きだったアニメは?」
かをり「知らないことたくさんある」
かをり「なんでも知ってる椿ちゃんが羨ましい」
かをり「君のこと、たくさん知りたい」
かをり「怖いよ……」
かをり「怖いよ…… 怖いよ……」
かをり「わたしを…… ひとりにしないで」
公生「ボクは馬鹿だ」
公生「暴力上等」
公生「性格最低」
公生「印象最悪」
公生「でも……」
公生「彼女は美しい」
公生「雪の中の君は美しい」
医者「麻酔はじめますね」
医者「深呼吸して」
かをり「ねえ、先生」
かをり「わたしたちみんな」
かをり「さよならのキスをしてくれる人が」
かをり「要るんです」
かをり「マーシー」
こちらもどうぞ