【アニメ映画】 クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん 【※ネタバレ注意】
あらすじ
ギックリ腰で腰を痛めたひろしは突如現れた謎の美女に連れられ、マッサージも兼ねてエステの「無料体験」を受けることに。エステを終えて家に着いたひろしだったが、そこで自分の体がロボットになっていることに気づき、ビックリ! ロボットになった自分を前に警戒心むき出しのみさえに対し大喜びのしんのすけ。そんな中ひろしは、自分の体がロボットになった原因があのエステサロンであったことに気づく。それは、邪険に扱われる日本の弱い父親達の復権を企てる『父ゆれ同盟』の恐るべき陰謀だった。
「家族は、オレが守る!!」
崩壊寸前のカスカベを前にロボットになったひろし=ロボとーちゃんが、しんのすけと共に立ち上がる。
※以下、ネタバレ注意
失われた父性がテーマ
家族から厄介者扱いされて公園に避難してきた男たちが、そこでもまた女性たちに追い出される。序盤のシーンは現代に生きる父親の現状を風刺しているかのよう。この物語の黒幕鉄拳寺堂勝(てっけんじどうかつ)も妻や娘にいわゆる「ATM扱い」される存在であった。鉄拳寺はそんな現状を是正するために父親達の復権を企てる組織『父ゆれ同盟』なるものをつくる。
昔のような頑固親父に戻るだけでも駄目
物語の中盤、昔ながらの頑固親父という像は悪しきものとして描かれている。現代において頑固親父なるものを復活させようとしても受け入れられることはないのだろう。
歩み寄ることは可能か
物語の最後、公園から鬼のような形相で男たちを追い出していた女性も態度を軟化させる。彼女が邪険に扱っていた男性に対して軽く会釈をし、この物語は終わりをむかえた。
完全なコピーはオリジナルと同等か
「とーちゃんもロボとーちゃんもどっちもオラの大好きなとーちゃんだ!」と言うしんのすけに対して、みさえは最終的にオリジナルのひろしの方を選んだかのように伺える。でも、しんのすけにとってはどっちも大切なとーちゃんなんですね。
五木ひろしロボット(笑)
ここで少々グダった感は否めない。一瞬この映画駄作なのかなと疑ってしまったが、全くそんなことはなくて非常に素晴らしい映画でした。最後まで見ましょう。
感想
自分がオリジナルでないことに葛藤を抱えるロボとーちゃんに対して「とーちゃんもロボとーちゃんもどっちもオラの大好きなとーちゃんだ!」と言い切るしんのすけ。物語のテーマは失われた父性なのでしょうが、一番感動した場面はロボとーちゃんに対してしんのすけがかけた労いの言葉でした。
最も感動したシーン
しんのすけ「とーちゃん」
ロボひろし「俺は違う……」
しんのすけ(自分は父親ではないというロボひろしに対して首を振って否定する)
しんのすけ「とーちゃんもロボとーちゃんもどっちもオラの大好きなとーちゃんだ!」
ロボひろし「おまえは、いい子だ。でっかくなれよ……」
しんのすけ「うん! オラ、でっかくなる! さっきの巨大ロボットよりも、もっともっとでっかくなるぞ!」
ロボひろし(笑ったまま動かなくなる)
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